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薬局、薬剤師への新規個別指導(新規指導)のコラムです。保険薬局・保険薬剤師への厚生局の新規個別指導の同席は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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薬局の新規個別指導

薬局の新規個別指導に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

新規個別指導には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


まずお伝えしたいのが、薬局・薬剤師への新規指定での新規個別指導(新規指導)のルール、仕組みを、正確に理解している薬局、薬剤師の方が少ないということです。新規個別指導ではどのようなことが行われるか、指導担当者はどのような点を指導してくるか、どのような患者が選定されるのか、どのように準備すべきか、など、きちんと理解することがポイントです。

ここでは、保険薬局・保険薬剤師への新規個別指導の対応法、実施状況をご説明します。


保険薬局の新規個別指導の上手な対応法


 新規個別指導(薬局)の対策のポイント

1 新規個別指導の仕組み、ルールを知る

薬局への新規個別指導は、新規指定から概ね6か月を経過した保険薬局を対象に、薬担規則等に定められている保険調剤の取扱い、調剤報酬の請求等について周知徹底することを目的として実施されるものです。

実施時期については、新規指定から概ね6か月経過後、1年以内に実施するとされていますが、ケースバイケースであり、1年を大きく過ぎてから実施されることもあります。

なお、厚生局の判断により、また、遡及指定を受けた薬局で一定の条件を満たしたものについては、新規個別指導ではなく個別指導が実施されるケースもあります。

遡及指定ではない新規開設で、新規個別指導を想定していたところ、厚生局から新規個別指導ではなく個別指導の実施通知が届いた、という調剤薬局も実際にあります。

この場合は、ケースバイケースであるものの、厚生局に不適切な調剤報酬請求等の情報提供があり、厳しくチェック・確認することが必要であると厚生局に判断されたことが想定されるというべきです。すなわち、いわゆる情報提供、通報による個別指導であり、新規個別指導ではなく個別指導の対策、準備が求められることになります。個別指導については薬局の個別指導のコラムに記載していますので、個別指導に関してはこちらをご参考下さい。

新規個別指導が実施される場合、その実施の通知は、通常、書面で、郵送で、薬局に新規個別指導の約1か月前に届きます。

実施通知には以下のア〜オをはじめとする事項が記載されており、実施の日程は厚生局が一方的に決定するもので、正当な理由なく新規個別指導に欠席することは認められないとされています。ただし、一度正当な理由として認められない欠席があったとしても即個別指導への移行を決定することなく、指導の出席を促し、できるだけ早期に新規個別指導を実施し、正当な理由がなく新規個別指導を繰り返し欠席した場合は、個別指導を行うものとされています。
ア 個別指導の根拠規定及び目的
イ 指導の日時(土曜日及び休日を除く)及び場所
ウ 出席者
エ 準備すべき書類等
オ 地方厚生(支)局及び都道府県が共同で行うこと

新規個別指導は、原則として、指導月以前の連続した2か月分のレセプトに基づき関係書類等を閲覧し面接懇談方式により行うものとされ、指導対象のレセプト件数は10人分程度、指導時間は指導の目的が果たせる時間とし原則として1時間となります。

新規個別指導は、基本的には個別指導と同様ですが、時間は原則2時間ではなく1時間で、持参書類の数が個別指導に比し少なくなっており、対象患者が10名でその通知が原則指導の1週間前であるなど、違いもあります。全体として簡略化されているイメージです。

指導担当者の指導のスタンスは、基本的には個別指導と同様と思われますが、ただ、個別指導よりマイルドな、教育的な指導がなされる傾向を感じます。ただし、その薬局に関して不正請求の情報提供などがあった場合は、厳しいチェックが想定されることになります。

薬局の新規個別指導の運用は、厚生局により随時変更されていくものですので、新規個別指導の実施通知が届いたら、直ちに、新規個別指導に詳しい方から、最新の情報を入手して下さい。

2 弁護士の帯同・立ち会いをさせる

初めての新規個別指導(新規指導)では、不安を感じ、緊張してしまうものです。プレッシャーから、冷静な対応ができなくなり、認めてはならない真実に反する事実を誘導されて認めてしまうこともあります。また、不自然な弁解を繰り返してしまう方もいらっしゃいます。想定外の質問で頭が真っ白になり、回答ができなってしまい、その結果、新規個別指導の中断となってしまうこともあります。

以上の不適切な対応を防ぎ、新規個別指導で「経過観察」以上の結果(再指導・監査ではない結果)を目指すために、手前味噌ですが、薬局の完全な味方である弁護士を帯同し、新規個別指導に同席させることをお勧めします。薬剤師が対応に窮したときなど、必要に応じ助け舟を出せることがありますし、状況に応じ休憩で対応等協議することができることもあり、また、弁護士が同席するということそれ自体で、指導担当者の質問が慎重になる効果が期待できます。

弁護士を同席させると、新規個別指導の指導担当者に、やましいところがあるから弁護士を連れてきているのではないかと警戒され逆効果なのではないか、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、昨今では、弁護士の指導での同席は珍しいことではなくなっています。新規個別指導に理解のある弁護士の帯同は、指導担当者に法律に則った冷静な対応をさせることに繋がり、良い結果に結び付くと感じています。

3 事前準備をきちんと行う

新規個別指導(新規指導)は、出たとこ勝負でなんとかなる、と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「再指導」ではない「経過観察」以上の良い結果を目指しているのであれば、きちんと準備して臨むことが賢明です。

事前準備の方法ですが、新規個別指導の知見のある薬剤師に指導してもらうことなどが考えられます。ただ、本業が別にある薬剤師のサポートには限界がありますので、手前味噌ですが、新規個別指導に詳しい弁護士にサポートを依頼し、持参資料の準備、心構えや応答方法、対応方針などを十分に打合せ、準備を行うべきです。十分な準備をせずに新規個別指導に臨み、その結果、再指導となり、その時点になって、ことの重大性を認識する薬局の方もいらっしゃいます。再指導では通常の個別指導が実施されることとなり、たいへんですので、「再指導」の結果をできる限り回避すること肝心です。

新規個別指導への具体的な準備は、情報提供がないと推測される場合ですが、まず、指導対象月を推測・把握します。そして、その期間を中心に、薬歴の記載などを確認し、記憶を喚起するとともに、調剤報酬請求について、点検・指導が予測される点について、回答を準備することになります。

保険調剤の算定のルールは複雑で、多くの薬剤師は、何らかの誤解をしている印象です。新規個別指導に臨む管理薬剤師の方は、対象月での請求事項に関連する厚生労働省が公表する保険調剤確認事項リスト(薬局)の該当部分を確認することをお勧めします。

新規個別指導の当日は、方針としては、感情的にならずに、尋ねられたことにシンプルに回答していくスタンスがよいでしょう。なお、当日はバタバタしていると思いますが、持参書類の忘れ物がないようにし、また、指定された時刻にきちんと到着することも重要です。

保険薬剤師、保険薬局への新規個別指導の統計


 薬局新規個別指導の実施状況

「令和5年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」(厚生労働省公表)によれば、令和5年度(2023年4月〜2024年3月)の薬局の新規個別指導の実施状況は以下のとおりです。

1 新規個別指導

 薬局  2350件
 薬剤師 3772人


厚生局の新規個別指導(新規指導)に臨む薬局・管理薬剤師の方は、お電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の指導監査の弁護士のコラム一覧です。
新規個別指導(薬局)の際に、また日常の薬局運営にご活用下さい。

 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 保険薬局・保険薬剤師の取消の実例

1  薬局取消実例(1):情報提供の個別指導

2  薬局取消実例(2):無資格調剤による取消

3  薬局取消実例(3):監査拒否による取消処分

4  薬局取消実例(4):虚偽の処方せんの不正請求

5  薬局取消実例(5):別薬局の調剤分の不正請求

6  薬局取消実例(6):医院の個別指導からの監査

7  薬局取消実例(7):架空請求有罪判決での監査

8  薬局取消実例(8):処方せん付替えの不正請求

9  薬局取消実例(9):不正請求の匿名の情報提供

10 薬局取消実例(10):不正請求の厚生局への報告

11 薬局取消実例(11):不正請求の報告書の疑義

12 薬局取消実例(12):不正な処方箋の集約の通報

13 薬局取消実例(13):関東信越厚生局の監査

14 薬局取消実例(14):処方箋の集中率の不正操作

15 薬局取消実例(15):処方箋受付回数の不正操作

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