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関東信越厚生局の東京事務所による薬局の監査、取消相当の実例です。保険薬局の個別指導、監査は、薬局の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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保険薬局・保険薬剤師の取消の実例(13):関東信越厚生局の監査

薬局の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。


ここでは、薬剤師の逮捕のマスコミ報道があり、薬局に関東信越厚生局の東京事務所の監査が実施され、取消相当となった実例をご紹介します。関東信越厚生局の令和4年5月付けの取消相当の実例であり、説明のため簡略化等をしています。

薬局・薬剤師の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】薬局の個別指導と監査の上手な対応法

関東信越厚生局の東京事務所の監査、取消相当の実例


 1 監査に至った経緯

関東信越厚生局の公表資料によれば、監査の経緯は以下のとおりです。

1 薬剤師の調剤報酬に関する不正での逮捕の報道
令和2年1月及び2月に、当該薬局の開設者及び管理者の薬剤師が、併設される診療所の医師が不在であった平成31年3月に、医師の資格がないのに患者の診察を行い、医師が診察したように装って診療報酬や調剤報酬をだまし取った等の疑いで逮捕されたとの報道があった。

【コメント】
逮捕の報道がなされ、係る東京所在の薬局について関東信越厚生局東京事務所が調剤報酬の不正請求の疑義を把握しています。厚生局は、マスコミで報道された事例など、社会的影響が大きいと判断される事例では、より厳しい態度で対応していく傾向があると思われます。

2 不正請求の疑義の確認と監査の実施
関東信越厚生局東京事務所において、平成31年3月分の処方箋及び調剤録を確認したところ、不在であった医師の氏名が保険医欄に記載された処方箋及び調剤録が確認された。また、不在であった医師の氏名が保険医欄に記載された平成31年3月分の調剤報酬明細書が確認され、不正な調剤及び不正な調剤報酬請求であることが強く疑われたため、令和2年9月から令和3年6月まで計3日間の監査を実施した。

【コメント】
本ケースでは、関東信越厚生局東京事務所が、処方箋と調剤録を確認するなどし、その結果、不正な調剤報酬請求などが疑われ、監査の実施に至っています。

個別指導が実施されずに監査が実施されているように見受けられますが、1つの可能性としては、本件の薬局は令和2年2月1日付けで廃止されており、そこで、関東信越厚生局東京事務所が当該薬局に個別指導を実施しようにも既に廃止されており実施できず、監査の実施となった可能性があります。

なお、監査の実施は計3日間であり、通常のケースに比し短いとの印象です。背景に、係る保険薬剤師が不正請求に係る有罪判決を受け刑が確定しているという事情があるかもしれません。

 2 取消相当の理由

関東信越厚生局の公表資料によれば、取消相当の主な理由は以下のとおりです。

1 不正請求での詐欺罪の有罪判決の確定
保険薬剤師である薬剤師は、調剤報酬及び診療報酬の不正請求に係る詐欺罪で、懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、令和2年8月13日に刑が確定している。

【コメント】
関東信越厚生局の東京事務所としては、薬剤師について調剤報酬の請求に関して詐欺罪で有罪判決を受け確定していることをベースに、この度の取消相当の判断となっているものと思われます。

なお、懲役3年執行猶予4年の判決は、執行猶予はついているものの、かなり重い判決であるとのイメージです。

2 医師以外が作成した処方箋での調剤の不正請求
医師以外の者が作成した処方箋であることを認識していながら、その処方箋に基づいて調剤を行い、調剤報酬を不正に請求していた。

【コメント】
不適切な処方箋に基づき調剤をし調剤報酬を不正に請求したことが、関東信越厚生局の東京事務所の監査で確認されています。

 3 調剤報酬の不正請求額

関東信越厚生局の公表資料によれば、監査で判明した不正金額は、以下のとおりです。
 
 不正請求額 82件 75万783円

※ 監査で判明した以外の分についても不正請求等があったものについては、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。


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薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


薬局・薬剤師の指導、監査のコラムの一覧です。
関東信越厚生局東京事務所の薬局監査の実例の他、様々なケースをご紹介しています。
個別指導(薬局)の際に、また日常の薬局運営にご活用下さい。

 薬局の指導監査

1 薬局の個別指導と監査

 保険薬局・保険薬剤師の取消の実例

1  保険薬局・薬剤師の取消の実例(1):情報提供の個別指導

2  保険薬局・薬剤師の取消の実例(2):無資格調剤による取消

3  保険薬局・薬剤師の取消の実例(3):監査拒否による取消処分

4  保険薬局・薬剤師の取消の実例(4):虚偽の処方せんの不正請求

5  保険薬局・薬剤師の取消の実例(5):別薬局の調剤分の不正請求

6  保険薬局・薬剤師の取消の実例(6):医院の個別指導からの監査

7  保険薬局・薬剤師の取消の実例(7):架空請求有罪判決での監査

8  保険薬局・薬剤師の取消の実例(8):処方せん付替えの不正請求

9  保険薬局・薬剤師の取消の実例(9):不正請求の匿名の情報提供

10 保険薬局・薬剤師の取消の実例(10):不正請求の厚生局への報告

11 保険薬局・薬剤師の取消の実例(11):不正請求の報告書の疑義

12 保険薬局・薬剤師の取消の実例(12):不正な処方箋の集約の通報

13 保険薬局・薬剤師の取消の実例(13):関東信越厚生局の監査

14 保険薬局・薬剤師の取消の実例(14):処方箋の集中率の不正操作

15 保険薬局・薬剤師の取消の実例(15):処方箋受付回数の不正操作

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