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かかりつけ薬剤師包括管理料の薬局の算定での厚生局の指摘事項、算定留意事項のコラムです。保険薬局への個別指導は、弁護士にご相談下さい。

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薬局保険調剤指摘事項(46):かかりつけ薬剤師包括管理料

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、施設基準に係るかかりつけ薬剤師包括管理料の算定での留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 厚生局の個別指導(薬局・薬剤師)

     2 厚生局の新規個別指導(薬局・薬剤師)

かかりつけ薬剤師包括管理料での指摘事項


 1 かかりつけ薬剤師包括管理料の不適切な算定

かかりつけ薬剤師包括管理料について、次の不適切な[例・事項]が認められたので改めること。

すなわち、
(1)かかりつけ薬剤師が次の要件を満たしていない。
ア [保険薬剤師として3年以上の保険薬局勤務経験がある・当該保険薬局に週32時間以上勤務している・当該保険薬局に継続して1年以上在籍している]。
イ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得している。
ウ 医療に係る地域活動の取組に参画している。

(2)患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなどの患者のプライバシーの配慮がなされていない。

(1)医科点数表の地域包括診療加算若しくは認知症地域包括診療加算又は地域包括診療料若しくは認知症地域包括診療料を算定している患者以外の患者についてかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している。

(2)[服薬管理指導料・かかりつけ薬剤師指導料]を算定した場合に、かかりつけ薬剤師包括管理料を併算定している。

(2-1)かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供していない。

(2-2)[同意書に患者の署名がない・患者の同意を得ていない]。

(2-3)同意書を当該保険薬局に保管していない。

(2-4)患者の同意を得た旨を薬剤服用歴等に記載していない。

(2-5)かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が服薬指導等を行うことについて、患者が希望する場合に、あらかじめ文書で患者の同意を得ていない。

(3-1)当該薬局に複数回来局していない患者から同意を得ている。

(3-2)患者の同意を得た回にかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している。

(3-3)一人の患者に対し、同一月内に複数の保険薬剤師について算定している。

(4)患者が保有する手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載していない。

(5)かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が服薬指導等を行った場合にかかりつけ薬剤師包括管理料を算定している。

(6)かかりつけ薬剤師が行う服薬指導等について
ア かかりつけ薬剤師包括管理料に係る業務について
(ア)薬剤の服用に関する基本的な説明(薬剤情報提供文書について)
(イ)患者への薬剤の服用等に関する必要な指導
(ウ)継続的服薬指導
イ 患者が受診している全ての保険医療機関の情報、服用している処方薬、要指導医薬品及び一般用医薬品並びに健康食品等について、[把握していない・薬剤服用歴等に記載していない]。
ウ 患者に[勤務日等の情報・開局時間外の連絡先]を伝えていない。
エ 患者が他の保険薬局等で調剤を受けた場合に、その服用薬等の情報を[入手していない・薬剤服用歴等に記載していない]。
オ 調剤後、患者の容態や希望に応じて、[定期的に患者の服薬状況の把握、指導等を行っていない。・定期的に把握した患者の服薬状況や指導等の内容を薬剤を処方した保険医に情報提供していない。]

(薬学管理料の通則(5))
(7)薬剤服用歴等への指導内容等の記載が[ない・不十分である ]。

【コメント】
かかりつけ薬剤師包括管理料の患者の同意取得について、かかりつけ薬剤師の業務内容、かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等について、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定しようとする薬剤師が説明した上で、かかりつけ薬剤師に対する患者の同意を取得する必要があり、アンケートへの署名ではかかりつけ薬剤師の同意を取得したことにならないので、別途、かかりつけ薬剤師への同意に係る署名であることが明確にわかるようにすることとされています。

また、かかりつけ薬剤師が退職する等の理由で、当該薬局の別の薬剤師に引き継ぎを行う場合、同一薬局内であっても、かかりつけ薬剤師を変更する場合には、新たなかかりつけ薬剤師を選択することの患者の同意が必要であり、また、同一月内は同じ薬剤師により算定することとしているため、患者の同意を取得する時期も含め、薬局内で円滑に引き継ぎを行うこととされ、なお、かかりつけ薬剤師包括管理料は、患者の同意を取得した後の次回処方せん受付時以降に算定可能となるので、患者の同意を得る時期によっては、継続して算定することができない場合があることにも留意することとされていますので、注意が必要です。

なお、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定する際の患者の同意については、患者本人の同意取得が困難な場合は、介護を行っている家族等の同意でもよく、施設の入所者等に対する患者本人の同意取得については、患者ごとの状況に応じて個別に判断すべきものであり、施設単位でまとめて同意取得すべきではないとされています。

参考:かかりつけ薬剤師包括管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<薬学管理料>
区分13の3 かかりつけ薬剤師包括管理料
(1) かかりつけ薬剤師包括管理料は、(2)に該当する患者のかかりつけ薬剤師が、保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる。

(2) かかりつけ薬剤師包括管理料の対象患者は、医科点数表の「A001」の地域包括診療加算若しくは認知症地域包括診療加算又は「B001-2-9」地域包括診療料若しくは「B001-2-10」認知症地域包括診療料を算定している患者とする。なお、これらの患者のかかりつけ薬剤師としてかかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定する場合には、患者の同意の下で保険薬局においていずれかを算定できる。

(3) 患者の服薬状況等については、薬学的知見に基づき随時把握し、保険医に対して、その都度情報提供するとともに、必要に応じて処方提案すること。なお、情報提供の要否、方法、頻度等については、あらかじめ保険医と相談して合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等によることで差し支えない。

(4) かかりつけ薬剤師包括管理料の算定に当たっては、「13の2」かかりつけ薬剤師指導料の(2)から(7)まで、(9)及び(11)を準用する。この場合において、「かかりつけ薬剤師指導料」は「かかりつけ薬剤師包括管理料」と読み替える。

(5) かかりつけ薬剤師包括管理料は、服薬管理指導料又はかかりつけ薬剤師指導料と同時に算定できない。

(6) かかりつけ薬剤師包括管理料は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。


厚生局の個別指導、監査に臨む薬局の方は、お電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
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 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(33):服薬管理指導料1

2  薬局への指摘事項(34):服薬管理指導料2

3  薬局への指摘事項(35):服薬管理指導料3

4  薬局への指摘事項(36):服薬管理指導料4

5  薬局への指摘事項(37):麻薬管理指導加算

6  薬局への指摘事項(38):特定薬剤管理指導1

7  薬局への指摘事項(39):特定薬剤管理指導2

8  薬局への指摘事項(40):特定薬剤管理指導3

9  薬局への指摘事項(41):乳幼児服薬指導加算

10 薬局への指摘事項(42):小児特定加算

11 薬局への指摘事項(43):吸入薬指導加算

12 薬局への指摘事項(44):服薬管理指導料の特例

13 薬局への指摘事項(45):かかりつけ薬剤師指導

14 薬局への指摘事項(46):かかりつけ薬剤師包括

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