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薬局の保険調剤(標示・掲示、届出事項、明細書)のコラムです。保険薬局・保険薬剤師への個別指導、監査への帯同は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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薬局・薬剤師の保険調剤(7):明細書、届出事項、標示・掲示

薬局の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。


ここでは、薬局の保険調剤(明細書、届出事項の変更、標示・掲示、医療保険と介護保険の給付調整、調剤報酬請求)についてご説明します。内容は、厚生労働省保健局医療課医療指導監査室の公表資料「保険調剤の理解のために(平成28年度)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

薬局・薬剤師の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】薬局の個別指導と監査の上手な対応法

W 保険調剤のその他の留意事項


 1 明細書

 電子情報処理組織の使用又は光ディスク等を用いた請求により保険請求を行うことが義務づけられた保険薬局は、領収証を交付するに当たり、正当な理由がない限り、明細書を無償で交付しなければならない。

(留意点)
・ 病名告知や患者のプライバシーに配慮するため、明細書を発行する旨や、明細書交付を希望しない場合に事前に申し出るよう、薬局内掲示等をすることで、患者の意向を的確に確認できるようにすること。
・ 「正当な理由」に該当する保険薬局については、患者から明細書の発行を求められた場合には明細書を交付しなければならないものであり、「正当な理由」に該当する旨及び希望する患者には明細書を発行する旨(明細書発行の手続き、費用徴収の有無、費用徴収を行う場合の金額を含む。)を薬局内掲示等で明示すること。
・ 公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者(全額公費負担の患者を除く。)についても、患者に対する情報提供の観点から、電子レセプト請求を行っている保険医療機関及び保険薬局については、患者から求めがあった場合の無料発行を原則義務とする。(平成28年度) 

 2 届出事項の変更

 保険薬局の開設者は、次の事由が生じたときは、速やかに、その旨及びその年月日を指定に関する管轄地方厚生局長等に届け出なければならない。
・ 管理薬剤師の変更(異動)
・ 保険薬剤師の異動
・ 開設者の変更(異動)
・ 保険薬剤師の氏名の変更
・ 保険薬局の名称の変更
・ 保険薬局の所在地の変更(区画変更等) 

 3 標示・掲示

 保険薬局は、次の掲示等を行わなければならない。(一部届出に応じて行うものを含む。)
・ 「保険薬局」である旨の標示
・ 開局時間、休業日並びに時間外、休日、深夜における調剤応需体制に関する事項
・ 調剤報酬点数表に関する事項
・ 基準調剤加算に関する事項
・ 後発医薬品調剤体制加算に関する事項
・ 無菌製剤処理加算に関する事項
・ 在宅患者訪問薬剤管理指導料に関する事項
・ 明細書の発行状況に関する事項 

 4 医療保険と介護保険の給付調整

 要介護被保険者又は居宅要支援被保険者(以下、「要介護被保険者等」という。)については、原則として、介護保険給付が医療保険給付より優先される(健康保険法第55条)が、別に厚生労働大臣が定める場合については、医療保険から給付できることとされており、これを医療保険と介護保険の給付調整という。

(1)医療保険適用及び介護保険適用の病床を有する保険医療機関に係る留意事項について
・ 医療保険の診療項目と介護保険の特定診療費及び特別療養費の算定における留意事項
 医療保険適用病床から介護保険適用病床に転床又は介護療養型老人保健施設に入所した場合、当該転床又は入所した週において、医療保険の薬剤管理指導料を算定している場合には、特定診療費又は特別療養費として定められた薬剤管理指導は算定できないものであること。また、介護保険適用病床から医療保険適用病床に転床又は介護療養型老人保健施設から医療保険適用病床に入院した場合についても同様であること。

(2)介護調整告示について
 要介護被保険者等である患者に対し算定できる診療報酬点数表に掲げる療養については、介護調整告示によるものであること。

(3)医療保険における在宅医療と介護保険における指定居宅サービス等に関する留意事項
・ 月の途中で要介護被保険者等となる場合等の留意事項について要介護被保険者等となった日から、同一の傷害又は疾病等についての給付が医療保険から介護保険へ変更されることとなるが、この場合において、1月あたりの算定回数に制限がある場合(医療保険における訪問歯科衛生指導と介護保険における歯科衛生士が行う居宅療養管理指導の場合の月4回など)については、同一保険医療機関において、両方の保険からの給付を合算した回数で制限回数を考慮するものであること。

 5 その他

(1)調剤報酬請求の適正化
・ 健康保険法及び調剤報酬点数表、薬剤師法、医薬品医療機器等法等関係法令について十分に理解し、保険調剤を行う必要がある(知りませんでした、勉強不足でした、は通用しません。)。
・ 調剤報酬請求に当たっては、保険薬剤師が、処方せん、調剤録、レセプトとの突合チェックを行い、適切な請求を行うことが重要である。
・ 審査支払機関からの増減通知については、確認後すぐに廃棄せずに保管し、翌月以降の調剤報酬請求に活用するなど、常に適正化に努める必要がある。

(2)健康保険法に基づく指導への理解等
・ 薬局開設者は、指導の主旨を十分に理解し、指導に出席してください。
・ 薬局の開設者が複数の保険薬局を開設している場合は、指導(結果)の内容を踏まえ、他の保険薬局についても自主的な点検を実施し、保険調剤のより一層の質的向上及び適正化を図ってください。 


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薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


薬局・薬剤師の指導、監査のコラムの一覧です。
個別指導(薬局)の際に、また日常の薬局運営にご活用下さい。

 薬局の指導監査

1 薬局の個別指導と監査

 保険薬局・保険薬剤師の取消の実例

1  保険薬局・薬剤師の取消の実例(1):情報提供の個別指導

2  保険薬局・薬剤師の取消の実例(2):無資格調剤による取消

3  保険薬局・薬剤師の取消の実例(3):監査拒否による取消処分

4  保険薬局・薬剤師の取消の実例(4):虚偽の処方せんの不正請求

5  保険薬局・薬剤師の取消の実例(5):別薬局の調剤分の不正請求

 薬局・薬剤師の保険調剤の概説

1  薬局・薬剤師の保険調剤(1):保険薬局と医療保険制度

2  薬局・薬剤師の保険調剤(2):保険調剤のルールと調剤報酬

3  薬局・薬剤師の保険調剤(3):保険調剤と処方せん、調剤録

4  薬局・薬剤師の保険調剤(4):調剤点数表、調剤技術料

5  薬局・薬剤師の保険調剤(5):薬学管理料、服用歴管理指導料

6  薬局・薬剤師の保険調剤(6):薬剤師指導料、包括管理料

7  薬局・薬剤師の保険調剤(7):明細書、届出事項、標示・掲示

8  薬局・薬剤師の保険調剤(8):保険調剤の指導、監査

9  薬局・薬剤師の保険調剤(9):保険調剤と薬担規則

10 薬局・薬剤師の保険調剤(10):保険調剤の調剤基本料

11 薬局・薬剤師の保険調剤(11):保険調剤の調剤料

12 薬局・薬剤師の保険調剤(12):薬剤服用歴管理指導料

13 薬局・薬剤師の保険調剤(13):かかりつけ薬剤師指導料

14 薬局・薬剤師の保険調剤(14):かかりつけ薬剤師包括管理料

15 薬局・薬剤師の保険調剤(15):保険調剤の外来服薬支援料

16 薬局・薬剤師の保険調剤(16):在宅患者訪問薬剤管理指導料

17 薬局・薬剤師の保険調剤(17):在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料

18 薬局・薬剤師の保険調剤(18):在宅患者緊急時等共同指導料

19 薬局・薬剤師の保険調剤(19):退院時共同指導料、情報提供料

20 薬局・薬剤師の保険調剤(20):薬剤料、特定保険医療材料料

21 薬局・薬剤師の保険調剤(21):評価療養 患者申出療養 選定療養

22 薬局・薬剤師の保険調剤(22):薬担規則の掲示事項

23 薬局・薬剤師の保険調剤(23):書面保存での情報通信技術利用

24 薬局・薬剤師の保険調剤(24):医療システムガイドライン

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