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薬局の自家製剤加算(薬剤調製料)の厚生局の指摘事項(薬局)、算定留意事項のコラムです。薬局の個別指導の同席は、弁護士にご相談下さい。

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薬局保険調剤指摘事項(25):自家製剤加算

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、薬剤調製料の自家製剤加算での算定留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 薬局の個別指導と監査

     2 薬局の新規個別指導(新規指導)

自家製剤加算(薬剤調製料)での指摘事項


 1 自家製剤加算の不適切な算定

自家製剤加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。

すなわち、
(1)調剤上の特殊な技術工夫を行っていない。(当該加算に係る自家製剤とは、個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った場合である。)

(2)調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている(当該医薬品が薬価基準に収載されている場合であっても、供給上の問題により当該医薬品が入手困難であり、調剤を行う際に必要な数量を確保できない場合は除く。)。

(3)自家製剤加算を算定した剤で計量混合調剤加算を算定している。

(4)[予製剤による場合・錠剤を分割する場合]にもかかわらず、100分の20に相当する点数を算定していない。

(5)調剤録等に製剤工程を記載していない。

(6)医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断していない。

【コメント】
自家製剤加算の算定する場合は、種々の要件、ルールがありますので、特殊な技術工夫を行い調剤録等に製造工程を記載するなど、適切に算定することが求められます。

厚生局の新規個別指導、個別指導の際には、必要に応じ、自家製剤加算に係る調剤録等の記載などチェック・確認されることになります。

参考:自家製剤加算に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<調剤技術料>
区分01 薬剤調製料
(11) 自家製剤加算
ア 自家製剤加算は、イの(1)に掲げる場合以外の場合においては、投薬量、投薬日数等に関係なく、自家製剤による1調剤行為に対し算定し、イの(1)に掲げる錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤又はエキス剤の内服薬を自家製剤の上調剤した場合においては、自家製剤を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに所定点数を算定する。ただし、いずれの場合においても、予製剤による場合又は錠剤を分割する場合にあっては所定点数の100分の20に相当する点数を算定する。

イ 当該加算に係る自家製剤とは、個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等必要と認められる添加剤の使用、ろ過、加温、滅菌等)を行った次のような場合であり、既製剤を単に小分けする場合は該当しない。
(イ) 錠剤を粉砕して散剤とすること。
(ロ) 主薬を溶解して点眼剤を無菌に製すること。
(ハ) 主薬に基剤を加えて坐剤とすること。

ウ 「注6」のただし書に規定する「別に厚生労働大臣が定める薬剤」とは、薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤をいう。ただし、当該医薬品が薬価基準に収載されている場合であっても、供給上の問題により当該医薬品が入手困難であり、調剤を行う際に必要な数量を確保できない場合は除く。なお、医薬品の供給上の問題により当該加算を算定する場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名とともに確保できなかったやむを得ない事情を記載すること。

エ 薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品と異なる剤形の医薬品を自家製剤の上調剤した場合に、次の場合を除き自家製剤加算を算定できる。
(イ) 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合。
(ロ) 液剤を調剤する場合であって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)上の承認事項において用時溶解して使用することとされている医薬品を交付時に溶解した場合

オ 自家製剤加算を算定した場合には、計量混合調剤加算は算定できない。

カ 「予製剤」とは、あらかじめ想定される調剤のために、複数回分を製剤し、処方箋受付時に当該製剤を投与することをいう。

キ 「錠剤を分割する場合」とは、医師の指示に基づき錠剤を分割することをいう。ただし、分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない。

ク 錠剤を分割して予製剤とする場合においては、予製剤とする場合又は錠剤を分割する場合と同様に自家製剤加算の所定点数を100分の20にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。

ケ 通常、成人又は6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤を6歳未満の乳幼児に対して調剤する場合において、保険薬剤師が必要性を認めて、処方医の了解を得た後で、単に矯味剤等を加えて製剤した場合であっても、「注6」の「イ」を算定できる。

コ 自家製剤を行った場合には、賦形剤の名称、分量等を含め製剤工程を調剤録等に記載すること。

サ 自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと。


厚生局の個別指導、監査に臨む薬局の方は、お電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
薬剤調製料の自家製剤加算(薬局)に関する指摘事項、算定留意事項の他、様々なコラムがございます。
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 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(9):調剤基本料

2  薬局への指摘事項(10):地域支援体制加算

3  薬局への指摘事項(11):連携強化加算

4  薬局への指摘事項(12):後発医薬品調剤体制

5  薬局への指摘事項(13):在宅薬学総合体制加算

6  薬局への指摘事項(14):医療DX推進体制整備

7  薬局への指摘事項(15):薬剤調製料(内服薬)

8  薬局への指摘事項(16):薬剤調製料(屯服薬)

9  薬局への指摘事項(17):薬剤調製料(注射薬)

10 薬局への指摘事項(18):薬剤調製料(外用薬)

11 薬局への指摘事項(19):無菌製剤処理加算

12 薬局への指摘事項(20):麻薬等加算

13 薬局への指摘事項(21):時間外加算

14 薬局への指摘事項(22):休日加算

15 薬局への指摘事項(23):深夜加算

16 薬局への指摘事項(24):夜間・休日等加算

17 薬局への指摘事項(25):自家製剤加算

18 薬局への指摘事項(26):計量混合調剤加算

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