本文へスキップ

分割調剤の厚生局の指摘事項(薬局)、分割調剤での留意事項のコラムです。保険調剤の個別指導、監査は、弁護士にご相談下さい。

電話での相談のご予約・お問い合わせはTEL.03-5925-8437
平日:9時30分~17時30分

薬局保険調剤指摘事項(7):分割調剤

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、分割調剤での確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 薬局の個別指導と監査

     2 薬局の新規個別指導(新規指導)

分割調剤での指摘事項


 1 不適切な分割調剤

第2回以後の調剤において、処方箋の使用期間の日数(ただし、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えて交付している。

【コメント】
分割調剤をする場合、日数に関して適切に計算し交付することが必要です。


 2 長期投薬での分割調剤

長期投薬に係る処方箋について、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行う場合、

(1)2回目以降の調剤において薬学管理料(調剤管理料、外来服薬支援料2を除く。)を算定している。

(2-1)受付時に、医療機関等に照会を行っていない。

(2-2)調剤録等に分割理由等の必要な事項を記載していない。

【コメント】
調剤録等への分割理由等の記載など、忘れずに対応することが求められます。


 3 患者の希望による分割調剤

処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更する場合で、患者の希望により分割調剤を行う場合、

(1)2回目の調剤において薬学管理料(調剤管理料、服薬管理指導料及び外来服薬支援料2を除く。)を算定している。

(2)医療機関等に後発医薬品の試用のための分割調剤を行った旨を連絡していない。

(3)調剤録等に分割理由等の必要な事項を記載していない。

【コメント】
調剤録等に分割理由等の必要な事項を記載することが求められます。記載がないまたは不十分である場合は、厚生局での新規個別指導、個別指導の際などに、チェック・確認され、不適切であると指摘されることに繋がります。

 4 医師の分割指示での分割調剤

医師の分割指示に係る処方箋に基づき分割調剤を行った場合、

(1)2回目以降の調剤において患者の服薬状況等を処方医に情報提供していない。

(2)所定点数を分割回数で除していない[調剤基本料及びその加算・薬剤調製料及びその加算・薬学管理料(服薬情報等提供料を除く。)]を算定している。

(3)分割指示に係る処方箋(別紙)の「受付保険薬局情報」欄に保険薬局の所在地、名称、保険薬剤師氏名及び調剤年月日を記入していない。

【コメント】
処方医への情報提供など、適切に対応することが求められます。

参考:分割調剤に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<通則>
2 保険薬剤師は、医師の分割指示に係る処方箋又は投与日数が長期間にわたる処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要がある場合には、分割調剤を行うこと。

 また、分割調剤を行う場合(上記の場合のほか、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更が不可の場合の署名欄に処方医の署名又は記名・押印がない、又は署名欄に処方医の署名又は記名・押印があるものの「変更不可」欄に「✓」又は「×」が記載されていない先発医薬品がある処方箋(以下「後発医薬品への変更が可能な処方箋」という。)を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により、分割調剤を行う場合を含む。)は、その総量は、当然処方箋に記載された用量を超えてはならず、また、第2回以後の調剤においては使用期間の日数(ただし、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。)と用量(日分)に示された日数との和から第1回調剤日から起算して当該調剤日までの日数を差し引いた日分を超えては交付できない。例えば、4月3日交付、使用期間4日間、用量10日分の処方箋で4月4日に5日分の調剤を受け、次に10日に調剤を受けに来た場合は(10+4)-7=7であるから、残りの5日分を全部交付して差し支えないが、もし第2回の調剤を4月13日に受けに来た場合、(10+4)-10=4となるので4日分しか交付できない。

3 保険薬局において分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方箋に薬剤師法(昭和35年法律第146号)第26条に規定する事項及び分割理由等の必要な事項を記入し、調剤録等を作成した後、処方箋を患者に返却すること。

<調剤技術料>
区分00 調剤基本料
7 分割調剤
(1) 通則
ア 「注9」又は「注 10」に係る分割調剤を行う場合は、調剤基本料は初回のみ算定し、2回目以降については「注9」又は「注10」のとおり算定するが、異なる保険薬局で分割調剤を行う場合は、各保険薬局においてそれぞれ調剤基本料を算定できる。

イ 「注9」、「注10」又は「注11」に係る分割調剤のうち、複数の分割調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、「注11」の分割調剤に係る点数により算定する。

(2) 長期保存の困難性等の理由による分割調剤
ア 「注9」の分割調剤については、長期投薬(14日分を超える投薬をいう。)に係る処方箋によって調剤を行う場合であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由によって分割して調剤する必要があり、分割調剤を行った場合で、1処方箋の2回目以降の調剤を同一の保険薬局において2回目以降行った場合に算定する。

イ 「注9」に係る分割調剤を行う場合は、処方箋の受付時に、当該処方箋を発行した医療機関等に対し照会を行うとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。

(3) 後発医薬品の試用のための分割調剤
ア 「注10」の分割調剤については、後発医薬品への変更が可能な処方箋を提出した患者の同意に基づき、処方箋に記載された先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤を行う場合であって、当該患者の希望により分割調剤を行った場合で、同一の保険薬局において1処方箋の2回目の調剤を行った場合に限り算定する。この場合において、2回目の調剤を行う際には、先発医薬品から後発医薬品への変更による患者の体調の変化、副作用が疑われる症状の有無等を確認するとともに、患者の意向を踏まえ、後発医薬品又は変更前の先発医薬品の調剤を行うこととする。なお、その際に、所定の要件を満たせば、調剤管理料、服薬管理指導料及び外来服薬支援料2を算定できる。

イ 「注10」に係る分割調剤を行った場合は、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。また、2回目の調剤の際に、患者の意向により変更前の先発医薬品の調剤を行った場合も、処方箋を発行した医療機関等にその旨を連絡するとともに、先発医薬品に再変更した理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。

ウ 1処方箋について、「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤の2回目以降の調剤と「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の2回目の調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合にあっては、いずれか一方の分割調剤に係る点数のみを算定する。

(4) 医師の指示による分割調剤
ア 「注11」については、医師の分割指示に係る処方箋(「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤及び「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に該当する場合を除く。)により、患者の同意の下、分割調剤を行った場合に算定する。

イ 調剤基本料及びその加算、薬剤調製料及びその加算並びに薬学管理料については、当該分割調剤を行う保険薬局が当該処方箋において分割調剤を実施しない場合に算定する点数をそれぞれ合算し、分割回数で除した点数を当該調剤時に算定する。当該点数は、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。ただし、服薬情報等提供料については、分割回数で除していない点数を算定できる。

ウ 「注11」の医師の指示による分割調剤の場合、保険薬局の保険薬剤師は、以下を実施する。
(イ) 分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、処方箋受付前に、継続的な薬学的管理及び指導のため、当該処方箋の1回目の調剤から全ての調剤が完了するまで、同一の保険薬局に処方箋を持参するべきである旨を説明する。

(ロ) 患者に対し、次回の自局への処方箋持参の意向の有無及び予定時期を確認するとともに、予定時期に患者が来局しない場合は、必要に応じ、電話等で服薬状況を確認し来局を促す。

(ハ) また、患者から次回は別の保険薬局に処方箋を持参する旨の申し出があった場合は、患者の了解を得た上で、次回の円滑な薬剤交付に資するよう、調剤後遅滞なく、患者が次回処方箋を持参しようとする保険薬局に対し、調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供する。

(ニ) 2回目以降の調剤において患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定



厚生局の個別指導、監査に臨む薬局の方は、お電話下さい。適切な対応を弁護士がアドバイスします。


薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
分割調剤に関する指摘事項、留意事項の他、様々なコラムがございます。
個別指導(薬局)の際に、また日常の薬局運営にご活用下さい。

 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(1):処方箋の取扱い

2  薬局への指摘事項(2):処方箋の不備

3  薬局への指摘事項(3):処方内容の変更と確認

4  薬局への指摘事項(4):後発医薬品への変更調剤

5  薬局への指摘事項(5):調剤済処方箋の取扱い

6  薬局への指摘事項(6):調剤録の取扱い

7  薬局への指摘事項(7):分割調剤

8  薬局への指摘事項(8):リフィル処方箋

SUNBELL LAW OFFICE指導薬局監査

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438