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在宅移行初期管理料の薬局の算定での厚生局の指摘事項、算定留意事項のコラムです。保険薬局、保険薬剤師への個別指導は、弁護士にご相談下さい。

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薬局保険調剤指摘事項(74):在宅移行初期管理料

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、在宅移行初期管理料の算定での留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 薬局の個別指導、監査と弁護士帯同

     2 薬局の新規個別指導と弁護士帯同

在宅移行初期管理料での指摘事項


 1 在宅移行初期管理料の不適切な算定

在宅移行初期管理料について、次の不適切な例が認められたので改めること。

すなわち、
(1-1)以下のア及びイを満たさない患者について算定している。
ア 認知症患者、精神障害者である患者など自己による服薬管理が困難な患者、障害児である18歳未満の患者、6歳未満の乳幼児、末期のがん患者及び注射による麻薬の投与が必要な患者
イ 在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)に係る医師の指示のある患者

(1-2)保険薬剤師が、特に重点的な服薬支援の行う必要性があると判断していないにも関わらず算定している。

(2)患者の同意を得ていない。

(3-1)実施した薬学的管理及び指導の内容等について薬剤服用歴等に記載していない。

(3-2)必要に応じた、薬学的管理指導計画書の作成・見直しが行われていない。

(3-3)当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の医師及び居宅介護支援事業者の介護支援専門員に対して必要な情報提供を文書で行っていない。

(4)計画的な訪問薬剤管理指導を実施する日以降の訪問について、在宅移行初期管理料を算定している。

(5-1)1回を超えて算定している。(在宅移行初期管理料は、在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)の算定した初回算定日の属する月に1回に限り算定する。)

(5-2)在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定していない場合に在宅移行初期管理料を算定している。

(薬学管理料の通則(5))
(6)医師及び介護支援専門員に情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付していない。

【コメント】
薬局の在宅移行初期管理料の算定について、訪問薬剤管理指導を実施している在宅での療養を行っている患者が入院した場合であって、退院後に再び在宅療養を継続する場合に、在宅移行初期管理料は算定できず、在宅移行初期管理料は在宅での療養に移行する予定の患者であって計画的な訪問薬剤管理指導を実施する前の段階における薬学的管理及び指導に対する評価であり、入院前に訪問薬剤管理指導を実施していた場合など、すでに在宅療養における環境が整っている患者においては、在宅移行初期管理料の対象とならないとされていますので、留意が求められます。

参考:在宅移行初期管理料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<薬学管理料>
区分15の8 在宅移行初期管理料
(1) 在宅移行初期管理料は、在宅での療養に移行する予定の服薬管理に係る支援が必要な患者に対して、計画的な訪問薬剤管理指導を実施する前に、保険薬剤師が患家を訪問して、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関等の多職種と連携しながら、退院時の処方内容を踏まえた薬剤の調整、残薬の整理、適切な服薬方法の提案等の必要な薬学的管理及び指導を行うことを評価するものである。

(2) 在宅移行初期管理料は、以下のア及びイを満たす患者のうち、薬学的管理の観点から保険薬剤師が患家を訪問して特に重点的な服薬支援の行う必要性があると判断したものを対象とする。
ア 認知症患者、精神障害者である患者など自己による服薬管理が困難な患者、児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である18歳未満の患者、6歳未満の乳幼児、末期のがん患者及び注射による麻薬の投与が必要な患者。
イ 在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)に係る医師の指示のある患者。

(3) (2)のイの場合においては、「15」在宅患者訪問薬剤管理指導料の1の(2)及び(12)における単一建物診療患者の取扱いに準ずること。

(4) 必要な薬学的管理及び指導として、薬物療法に係る円滑な在宅療養への移行及び在宅療養の継続の観点から、以下に掲げる業務を実施すること。
ア 患者及びその家族等から、服薬状況、居住環境、家族関係等の薬学的管理に必要な情報を収集すること。
イ 患家における残薬の確認及び整理並びに服薬管理方法の検討及び調整を行うこと。
ウ 日常の服薬管理を適切に行うことができるよう、ポリファーマシーへの対応や服用回数を減らすための観点も踏まえ、必要に応じて医師等と使用する薬剤の内容を調整すること。
エ 在宅での療養に必要な情報を当該患者の在宅療養を担う保険医療機関等の多職種と共有すること。
オ 退院直後の患者の場合は、入院していた医療機関と連携し、入院中の処方内容に関する情報や、患者の退院に際して実施された指導の内容などに関する情報提供文書を活用した服薬支援を実施することが望ましい。

(5) 実施した薬学的管理及び指導の内容等について薬剤服用歴等に記載し、必要に応じて、薬学的管理指導計画書を作成・見直しすること。また、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の医師及び居宅介護支援事業者の介護支援専門員に対して必要な情報提供を文書で行うこと。なお、この場合の文書での情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。

(6) 在宅移行初期管理料は、計画的な訪問薬剤管理指導を実施する前であって別の日に患家を訪問して(4)に掲げる業務を実施した場合に算定する。なお、この場合に実施した服薬管理の支援等については、外来服薬支援料1を別途算定できない。

(7) 在宅移行初期管理料は、当該患者において在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)の算定した初回算定日の属する月に1回に限り算定する。

(8) 在宅移行初期管理料に係る業務について、「15」に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料の1の(4)に規定する在宅協力薬局が実施した場合は算定できない。

(9) (6)に掲げる訪問を実施した日付について、調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(10) 「注2」に規定する交通費は実費とする。

(11) 在宅移行初期管理料は、特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。


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薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
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 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(67):在宅患者緊急時等共同

2  薬局への指摘事項(68):退院時共同指導料

3  薬局への指摘事項(69):服薬情報等提供料1

4  薬局への指摘事項(70):服薬情報等提供料2

5  薬局への指摘事項(71):服薬情報等提供料3

6  薬局への指摘事項(72):在宅患者重複投薬

7  薬局への指摘事項(73):経管投薬支援料

8  薬局への指摘事項(74):在宅移行初期管理料

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