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電子薬歴(電磁的記録の薬剤服用歴)の管理、運用での厚生局の指摘事項(薬局)、留意事項のコラムです。保険薬局の個別指導は、弁護士にご相談下さい。

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薬局保険調剤指摘事項(28):電子薬歴

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、電子薬歴(電磁的記録の薬剤服用歴)の運用、管理などでの留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 薬局の個別指導、監査の対応法

     2 薬局の新規個別指導の対応法

電子薬歴(電磁的記録の薬剤服用歴)での指摘事項


 1 電子薬歴の不適切な例

電子的に保存している記録について、次の不適切な[例・事項]が認められたので改めること。

すなわち、
(1)最新の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(第6.0版)に準拠していない。
□不正ソフトウェア対策が行われていない。

□医療情報システムにアクセスログを収集及び記録する機能がない場合において、システム操作に係る業務日誌が備えられていない。

□定期的に職員に対し個人情報の安全管理に関する教育訓練を行っていない。

□類推しやすいパスワードを使用している。

□パスワードの要件として、
 □(8文字以上の場合に)英数字・記号を混在させた8文字以上の推定困難な文字列を定期的(最長でも2ヶ月以内)に変更させるものとなっていない。
 □(13 文字以上の場合に)英数字・記号を混在させた13文字以上の推定困難な文字列となっていない。
 □二要素以上の認証の場合におけるパスワードの要件として、英数字、記号を混在させた8文字以上の推定困難な文字列を使用していない(他の認証要素として必要な電子証明書等の使用にPIN 等が設定されている場合を除く。)。

□代行操作[の承認の仕組みがない・に係る承認を(速やかに)実施していない]。(そのため、根拠のない調剤報酬を請求するおそれがあるので、調剤報酬の請求は薬剤師が承認した記録に基づき行うよう留意すること。)

□情報システムの関係職種ごとのアクセス範囲が適切でない。
 □(従事者等の例:事務職員、委託業者職員)

□修正履歴が表示されない。

□電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていない。

□異動・退職した職員のIDの管理が適切に行われていない。

□特定のIDを複数の職員が使用している。

□運用管理規程がない。

□(外部保存 組織的安全対策)に係る運用管理規程の内容が不十分である。

□運用管理規程に定めているシステムの監査を実施していない。

□個人情報が保存されている記録媒体がスタッフの常駐する場所又は施錠された場所に保管されていない。

□情報のバックアップを取得していない。

【コメント】
いわゆる電子薬歴(電磁的記録の薬剤服用歴)と認められるためには、様々な要件があり、薬歴を電子薬歴として運用するためには、修正履歴が表示されまた保存すべき期間中における改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認できることなどはじめ、電子薬歴と認められるための条件を遵守することが求められます。

薬局への新規個別指導や個別指導で、厚生局から、電子薬歴で記録されているはずの修正履歴、更新履歴等の確認を求められ確認されることを念頭に、薬局の薬剤師による日々の薬歴の適切な作成、管理が重要です。

薬局の個別指導や監査などでは、電子薬歴の場合、必要に応じ、電子薬歴の修正履歴、更新履歴等が、厚生局の担当者に入念にチェック・確認されることになります。


 2 薬歴の原本と保存

薬局として[紙・電子]媒体を原本として定めているにもかかわらず、記録類を[紙・電子]媒体のみで保存している。

【コメント】
薬歴について、電子薬歴であれば電子媒体での保存が求められますし、電子薬歴ではない薬歴であれば紙媒体での保存が求められますので、薬局の薬歴について開設者・管理薬剤師はもちろん薬局のスタッフを含め全員で的確に理解し把握し、正しく保存し管理することが必要です。



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薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
薬局の電子薬歴(電磁的記録の薬剤服用歴)の運用、管理に関する指摘事項、留意事項の他、様々なコラムがございます。
個別指導(薬局)の際に、また日常の薬局運営にご活用下さい。

 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(27):薬剤服用歴

2  薬局への指摘事項(28):電子薬歴

3  薬局への指摘事項(29):調剤管理料

4  薬局への指摘事項(30):重複投薬・相互作用

5  薬局への指摘事項(31):調剤管理加算

6  薬局への指摘事項(32):医療情報取得加算

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