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薬剤服用歴の記載、保存期間、管理での厚生局の指摘事項(薬局)、留意事項のコラムです。保険薬局の個別指導は、弁護士にご相談下さい。

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薬局保険調剤指摘事項(27):薬剤服用歴

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、薬剤服用歴の記載、保存、管理などでの留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 薬局の個別指導、監査の対応法

     2 薬局の新規個別指導の対応法

薬剤服用歴での指摘事項


 1 薬剤服用歴の不適切な例、保存期間

薬剤服用歴等について、次の不適切な[例・事項]が認められたので改めること。

すなわち、
(1)薬学管理等の実施に当たって、薬剤服用歴等を作成していない。

(2)同一患者の薬剤服用歴等について、[紙薬歴が廃棄されており]全ての記録が必要に応じて直ちに参照できるよう患者ごとに保存・管理していない。

(3)次の事項の記載が[ない・不適切である・不十分である]。
□オンライン資格確認等システムを通じて取得した患者の診療情報、薬剤情報等
ア 患者の基礎情報
□氏名
□生年月日
□性別
□被保険者証の記号番号
□住所
□必要に応じて緊急連絡先
イ 処方及び調剤内容等
□処方した保険医療機関名
□処方医氏名
□処方日
□調剤日
□調剤した薬剤
□処方内容に関する照会の要点等
ウ 以下の患者情報
□(イ-1)患者の体質
 □アレルギー歴
 □副作用歴
□(イ-2)薬学的管理に必要な患者の生活像
□(イ-3)後発医薬品の使用に関する患者の意向
□(ロ)疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
□(ハ-1)併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況
□(ハ-2)服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
□(ニ)服薬状況(残薬の状況を含む。)
□(ホ-1)患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)
□(ホ-2)患者又はその家族等からの相談事項の要点
□(ヘ)手帳活用の有無
エ 今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点
オ 指導した保険薬剤師の氏名

(4-1)薬剤服用歴等への記載が、指導後速やかに完了していない。

(4-2)定型文を用いて画一的に記載されているので、指導等を行った保険薬剤師が必要事項を判断して記載すること。

(4-3)薬学管理料やその加算を算定する場合に、その根拠及び指導内容等について記載していない。算定の根拠及び指導内容等について簡潔に記載すること。

(4-4)指導の内容等について処方医等へ情報提供した場合に、情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付していない。

(5)薬剤服用歴等を最終記入日から起算して3年間保存していない。

【コメント】
薬剤服用歴について、薬剤師は、指導後速やかに記載を完了することが求められていますので、十分留意して下さい。

また、上記のとおり、薬剤服用歴について最終記入日から起算して3年間の保存が求められていますので、この点について誤解し薬歴を廃棄してしまったということがないように、薬局の開設者、管理薬剤師においては、薬歴の保存期間について注意が必要です。


 2 筆記具での記載と修正

(1)消すことができる筆記具で記載している。

(2)二本線で抹消したのではなく、[塗りつぶし・修正液・修正テープ・貼紙]により修正している(修正前の記載内容が判読不能である)。

【コメント】
薬歴の記載や修正について、紙での薬歴である場合、上記を前提に、適切に実施することが求められます。

参考:薬剤服用歴に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<薬学管理料>
通則
(4) 薬学管理等の実施に当たっては、薬剤師法第28条で規定される調剤録において情報の提供及び指導の内容の要点等の記入が義務づけられていることから、必要事項等が記録されている薬剤服用歴等を作成すること。薬剤服用歴等は同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存及び管理するものであり、オンライン資格確認等システムを通じて取得した患者の診療情報、薬剤情報等を含めて、次の事項等を記載すること。
ア 患者の基礎情報(氏名、生年月日、性別、被保険者証の記号番号、住所、必要に応じて緊急連絡先)

イ 処方及び調剤内容等(処方した保険医療機関名、処方医氏名、処方日、調剤日、調剤した薬剤、処方内容に関する照会の要点等)

ウ 以下の患者情報並びに当該情報等を踏まえた薬学的管理及び指導の要点
(イ) 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む。)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
(ロ) 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
(ハ) 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
(ニ) 服薬状況(残薬の状況を含む。)
(ホ) 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
(ヘ) 手帳活用の有無(手帳を活用しなかった場合はその理由と患者への指導の有無。また、複数の手帳を所有しており1冊にまとめなかった場合は、その理由)

エ 今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点

オ 指導した保険薬剤師の氏名

(5) 薬剤服用歴等の記載に当たっては、患者から収集した情報、相談事項及び患者への指導内容を単に全て記載するのではなく、その要点を記載することで差し支えないが、指導後速やかに記載を完了させること。また、定型文を用いて画一的に記載するのではなく、指導等を行った保険薬剤師が必要事項を判断して記載すること。特に、薬学管理料やその加算を算定する場合には、その根拠及び指導内容等について簡潔に記載すること。なお、指導の内容等について処方医等へ情報提供した場合には、情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付すること。

(6) 薬剤服用歴等の保存については、最終記入日から起算して3年間保存すること。


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薬局・薬剤師の指導、監査のコラム


厚生局による薬局・薬剤師の個別指導と監査、保険調剤に関する弁護士のコラム一覧です。
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 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(27):薬剤服用歴

2  薬局への指摘事項(28):電子薬歴

3  薬局への指摘事項(29):調剤管理料

4  薬局への指摘事項(30):重複投薬・相互作用

5  薬局への指摘事項(31):調剤管理加算

6  薬局への指摘事項(32):医療情報取得加算

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