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調剤後薬剤管理指導料1(糖尿病)、調剤後薬剤管理指導料2(心不全)の薬局の算定での厚生局の指摘事項、算定留意事項のコラムです。

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薬局保険調剤指摘事項(52):調剤後薬剤管理指導料

薬局の個別指導・監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼頂き、指導監査に対応しています。

個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、薬局の保険調剤に関して、施設基準に係る調剤後薬剤管理指導料(1糖尿病患者に対して行った場合、2慢性心不全患者に対して行った場合)の算定での留意事項、確認事項、個別指導での指摘事項などについてご説明します。

ご説明は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の保険調剤確認事項リスト(薬局)令和6年度改訂版に基づくもので、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。最新の取扱いではない可能性や、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。

なお、薬局の個別指導と監査、新規個別指導については、対応法など記載しておりますので、以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】1 個別指導(薬局)の弁護士のコラム

     2 新規個別指導(薬局)の弁護士のコラム

調剤後薬剤管理指導料(糖尿病、心不全)での指摘事項


 1 調剤後薬剤管理指導料の不適切な算定

調剤後薬剤管理指導料について、次の不適切な[例・事項]が認められたので改めること。

すなわち、
(1)当該保険薬局が、地域支援体制加算の届出を行っていない。

(1)調剤後薬剤管理指導料1について、新たに糖尿病用剤が処方されていない患者又は糖尿病用剤の用法・用量の変更がなかった患者について算定している。

(2)調剤後薬剤管理指導料2について、心疾患による入院歴があって、作用機序が異なる循環器官薬等の複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全の患者でないものに対し算定している。

(3)電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等について、患者の同意を得ていない。

(3-1)電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等について、患者等に一方的に一律の内容の電子メールを一斉送信すること等のみをもって対応している。

(4)[保険医療機関からの求めがない場合に・患者若しくはその家族等の求めがあった場合に医師の了解を得ずに]算定している。

(5)調剤後薬剤管理指導料[1・2]について、月1回を超えて算定している。

(6)調剤後薬剤管理指導料の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供について、服薬情報等提供料を算定している。

(7)保険医療機関に対し、薬学的管理指導の結果等を文書により情報提供していない。

(8)調剤後薬剤管理指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合に算定している。

(薬学管理料の通則(5))
(9-1)薬剤服用歴等への指導内容等の記載が[ない・不十分である]。

(9-2)保険医療機関に情報提供した文書の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴等に記載又は添付していない。

【コメント】
調剤後薬剤管理指導料について、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者に、新たに糖尿病用剤が処方等された場合に、それぞれの疾患に関して必要な薬学的管理指導等を行った場合、それぞれの要件を満たせば調剤後薬剤管理指導料「1」及び「2」を同一月に算定可能であり、ただし、単に慢性心不全の治療にも用いられることがある糖尿病剤が処方されているだけでは要件を満たしたことにはならないことに留意することとされていますので、注意が求められます。

参考:調剤後薬剤管理指導料に関する留意事項通知(令和6年3月5日)
<薬学管理料>
区分14の4
調剤後薬剤管理指導料
(1) 調剤後薬剤管理指導料の「1」は、新たに糖尿病用剤が処方等された患者に対し、薬物治療を適切に継続する観点から、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(2) (1)の「新たに糖尿病用剤が処方等された患者」とは次のいずれかに該当する患者をいう。
ア 新たに糖尿病用剤が処方された患者
イ 糖尿病用剤の用法・用量の変更があった患者

(3) 調剤後薬剤管理指導料の「2」は、心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者に対し、薬物治療を適切に継続するとともに、特に入院歴を有する慢性心不全患者の再入院を抑制する観点から、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局の保険薬剤師が、調剤後に電話等により、その使用状況、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果等を受診中の保険医療機関に文書により情報提供した場合に算定する。なお、当該指導料に係る薬剤の調剤と同日に電話等により使用状況の確認等を行った場合には算定できない。

(4) (3)の「心疾患による入院歴のある作用機序が異なる複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全患者」とは、日本循環器学会及び日本心不全学会が作成する最新の「急性・慢性心不全診療ガイドライン」等を参照し、複数の作用機序の異なる循環器疾患に係る治療薬の処方を受けている慢性心不全患者をいう。

(5) 調剤後薬剤管理指導料に係る電話等による当該治療薬の服薬状況の確認等は、以下のいずれかの場合に患者の同意を得て行うものであること。なお、電話等による確認方法については、電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは、継続的服薬指導を実施したことにはならず、個々の患者の状況等に応じて必要な対応を行うこと。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
イ 患者若しくはその家族等の求めがあり、保険薬剤師が調剤後の薬剤管理指導を必要と認め、医師の了解を得た場合

(6) 調剤後薬剤管理指導料に係る調剤後の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認は、処方医等の求めに応じて実施するものであり、計画的な電話等による確認を原則とすること。この場合において、あらかじめ患者等に対し、電話等を用いて確認することについて了承を得ること。

(7) 電話等による患者の糖尿病又は慢性心不全の治療薬の服薬状況等の確認を行った結果、速やかに保険医療機関に伝達すべき患者の服薬中の体調の変化等の情報を入手した場合は、当該情報を患者が受診中の保険医療機関に提供するとともに、必要に応じて保険医療機関への受診勧奨を行うこと。

(8) 医療機関への情報提供に当たっては、単に確認された服薬状況、副作用の状況を記載して情報提供するだけでなく、医療機関との連携の下で、処方医等の求めに応じた情報の収集と、薬学的分析及び評価に基づく情報提供を実施するとともに、必要に応じて処方に係る提案等を行うこと。この際、体重の増減、塩分摂取、飲水の状況など、薬学的管理に密接に関係する情報も積極的に収集し、活用することが望ましい。また、医療従事者間のICTを活用した服薬状況等の情報共有等により対応した場合には、処方提案等の行為を行った日時が記録され、必要に応じてこれらの内容を随時確認できることが望ましい。

(9) 調剤後薬剤管理指導料の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。

(10) 調剤後薬剤管理指導料は、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、当該保険薬局と不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は算定できない。


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 薬局の指導監査

1  薬局の個別指導と監査

2  薬局の新規個別指導(新規指導)

 薬局の保険調剤での指摘事項

1  薬局への指摘事項(47):外来服薬支援料1

2  薬局への指摘事項(48):外来服薬支援料2

3  薬局への指摘事項(49):施設連携加算

4  薬局への指摘事項(50):服用薬剤調整支援料1

5  薬局への指摘事項(51):服用薬剤調整支援料2

6  薬局への指摘事項(52):調剤後薬剤管理指導料

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