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薬局の医療システム安全管理ガイドラインのコラムです。保険薬局・保険薬剤師への個別指導、監査への帯同は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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薬局・薬剤師の保険調剤(24):医療システム安全管理ガイドライン

個別指導の書籍を出版し、薬局の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。


ここでは、薬局の医療システム安全管理ガイドラインについてご説明します。内容は、厚生労働省保健局医療課医療指導監査室の公表資料「保険調剤の理解のために(平成28年度)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

薬局・薬剤師の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】薬局の個別指導と監査の上手な対応法

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(抄)


「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.3版 平成28年3月 厚生労働省」(抄)

 全文は、厚生労働省HPをご覧ください。

 3 本ガイドラインの対象システム及び対象情報

 本ガイドラインは保存システムだけではなく、医療に関わる情報を扱うすべての情報システムと、それらのシステムの導入、運用、利用、保守及び廃棄に関わる人または組織を対象としている。ただし、「7 電子保存の要求事項について」、「8 診療録及び診療諸記録を外部に保存する際の基準」、及び「9 診療録等をスキャナ等により電子化して保存する場合について」は対象となる文書等が一部限定されている。

 3.1 7章及び9章の対象となる文書について

 医療に関する文書は、法令等によって保存、作成及び交付等が定められている文書と、そうでない文書に大別できる。7 章及び9 章の対象となる文書は、法令による保存、作成及び交付等が定められている文書の一部であり、具体的には、e-文書法の対象範囲となる医療関係文書等として、e-文書法省令、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」(平成28 年3 月31 日付け医政発0331 第31 号・薬生発0331 第11 号・保発0331 第27 号・政社発0331 第2号厚生労働省医政局長、医薬・生活衛生局長、保険局長、政策統括官(社会保障担当)連名通知。以下「施行通知」という。)で定められた下記の文書等を対象としている。

 7 章及び9 章の対象文書等(但し、※処方せんについては施行通知第2 2(4)の要件を充足のこと。)
一~五(略)
六 薬剤師法(昭和35 年法律第146 号)第28 条の調剤録
七~十(略)
十一 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32 年厚生省令第16 号)第6 条の調剤録(作成については、同規則第5 条)
十二~十三(略)
十四 薬剤師法(昭和35 年法律第146 号)第26 条、第27 条の処方せん※
十五 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32 年厚生省令第16 号)第6 条の処方せん※
十六~二十二(略)

 なお、法令等による作成や保存が定められている文書のうち、e-文書法の対象範囲となっていない医療関係文書等については、たとえ電子化したとしても、その電子化した文書等を法令等による作成や保存が定められた文書として扱うことはできないため、別途作成・保存が義務づけられる。

 3.2 8章の対象となる文書等について

 8 章は、「「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について」(平成25 年3 月25 日付け医政発0325 第15 号・薬食発0325 第9 号・保発0325 第5 号厚生労働省医政局長・医薬食品局長・保険局長連名通知。以下「外部保存改正通知」という。)で定められた下記の文書等を対象としている。

1~7(略)
8 薬剤師法(昭和35 年法律第146 号)第27 条に規定されている調剤済みの処方せん
9 薬剤師法第28 条に規定されている調剤録
10~13(略)
14 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32 年厚生省令第16 号)第6 条に規定されている調剤済みの処方せん及び調剤録
15~17(略)
18 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付の取扱い及び担当に関する基準第28 条に規定されている調剤済みの処方せん及び調剤録

 なお、調剤録(薬剤師法第28 条第2 項に基づき調剤録への記入が不要とされた場合の調剤済み処方箋を含む)の保存については、薬局開設者の責任とされており、外部保存を行う場合についても従前と同様に薬局開設者の責任において行うこと。また、調剤録は当該薬局に備えることとされていることから、当該薬局の調剤録を外部保存する場合には、他薬局の調剤録と明確に区分し、薬局毎、個別に管理する必要がある。

 3.3 紙の調剤済み処方箋と調剤録の電子化・外部保存

 紙の調剤済み処方箋(薬剤師法第28条第2項に基づき調剤録への記入が不要とされた場合の調剤済み処方箋を含む)の電子化については、紙の処方箋に記名押印または署名を行い調剤済みとしたものを第9章に示す方法により電子化することとなる。
 紙の処方箋を薬局で受取った場合、調剤済みとなるまでは電子化したものを原本としてはならない(誤った運用例:薬局で紙の処方箋を受け付けた時点で電子化し、それを原本として調剤を行い、薬剤師の電子署名を以って調剤済みとする等)。
 なお、調剤終了時までは特段の問題なく経過した処方箋であっても、その後に内容の修正が発生することを完全には否定出来ない(例:記載事項を確認したものの修正を忘れた場合等)。そのため、一旦電子化した紙の調剤済み処方箋であっても、その修正が発生する可能性がある。
 この場合、既に電子化された紙の調剤済み処方箋に対して、過去の電子署名の検証が可能な状態を維持する形で、電子的に修正を実施し、薬剤師の電子署名を付すことが必要となる。
 なお、電子処方箋を(電子的な)調剤済み処方箋とした場合には第7章を、さらにそれを外部保存する場合には、第8章を参照されたい。

 3.4 取扱いに注意を要する文書等

 3.1 に示した文書等の他、医療において個人情報の保護について留意しなければならない文書等には、①施行通知には含まれていないものの、e-文書法の対象範囲で、かつ、患者の個人情報が含まれている文書等(麻薬帳簿等)、②法定保存年限を経過した文書等、③診療の都度、診療録等に記載するために参考にした超音波画像等の生理学的検査の記録や画像、④診療報酬の算定上必要とされる各種文書(薬局における薬剤服用歴の記録等)、等がある。
 これら①~④に示した文書等については、個人情報保護関連各法の趣旨を十分理解した上で、各種指針及び本ガイドライン6 章の安全管理等を参照し、情報管理体制確保の観点からも、バックアップ情報等を含め、それらを破棄せず保存している限りは、7 章及び9 章に準じて取扱うこと。
 なお、「9.4 運用の利便性のためにスキャナ等で電子化を行うが、紙等の媒体もそのまま保存を行う場合」も、適宜参照されたい。
 また、3.2 に示す文書等がその法定保存年限を経過する等の事由によって、施行通知や外部保存改正通知の対象外となった場合にも、外部保存を実施(継続)する場合には、8 章に準じて取扱うこと。

 7 電子保存の要求事項について

 法的に保存義務のある文書等を電子的に保存するためには、日常の診療や監査等において、電子化した文書を支障なく取り扱えることが当然担保されなければならないことに加え、その内容の正確さについても訴訟等における証拠能力を有する程度のレベルが要求される。誤った診療情報は、患者の生死に関わることであるので、電子化した診療情報の正確さの確保には最大限の努力が必要である。また、診療に係る文書等の保存期間については各種の法令に規定されており、所定の期間において安全に保存されていなくてはならない。
 これら法的に保存義務のある文書等の電子保存の要件として、真正性、見読性及び保存性の確保の3つの基準が示されている。それらの要件に対する対応は運用面と技術面の両方で行う必要がある。運用面、技術面のどちらかに偏重すると、高コストの割に要求事項が充分満たされなかったり、煩わしさばかりが募ったりすることが想定され、両者のバランスが取れた総合的な対策が重要である。各医療機関等は、自らの機関の規模や各部門システム、既存システムの特性を良く見極めた上で、最も効果的に要求を満たす運用面と技術面の対応を検討されたい。

 7.1 真正性の確保について

A.制度上の要求事項
 電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていること。
(e-文書法省令第4条第4項第2号)
② 真正性の確保
 電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中における当該事項の改変又は消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じ、かつ、当該電磁的記録の作成に係る責任の所在を明らかにしていること。
(ア) 故意または過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。
(イ) 作成の責任の所在を明確にすること。
(施行通知第2 2(3)②)
「診療録等の記録の真正性、見読性及び保存性の確保の基準を満たさなければならないこと。」
(外部保存改正通知 第2 1(1))

B.考え方
 真正性とは、正当な権限において作成された記録に対し、虚偽入力、書き換え、消去及び混同が防止されており、かつ、第三者から見て作成の責任の所在が明確であることである。なお、混同とは、患者を取り違えた記録がなされたり、記録された情報間での関連性を誤ったりすることをいう。
 また、ネットワークを通じて外部に保存を行う場合、委託元の医療機関から委託先の外部保存施設への転送途中で、診療録等が書き換えや消去されないように、また他の情報との混同が発生しないよう、注意する必要がある。
 従って、ネットワークを通じて医療機関の外部に保存する場合は、医療機関等に保存する場合の真正性の確保に加えて、ネットワーク特有のリスクにも留意しなくてはならない。

 7.2 見読性の確保について

A.制度上の要求事項
 必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにすること。
(e-文書法省令第4条第4項第1号)
① 見読性の確保
 必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及び書面を作成できるようにすること。
(ア) 情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。
(イ) 情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること。
(施行通知第2 2(3)①)
「診療録等の記録の真正性、見読性及び保存性の確保の基準を満たさなければならないこと。」
(外部保存改正通知 第2 1(1))

B.考え方
 電子媒体に保存された内容を、権限保有者からの「診療」、「患者への説明」、「監査」、「訴訟」等の要求に応じて、それぞれの目的に対し支障のない応答時間やスループットと操作方法で、肉眼で見読可能な状態にできることである。e-文書法の精神によれば、画面上での見読性が確保されていることが求められているが、権限保有者の要求によっては対象の情報の内容を直ちに書面に表示できることが求められることもあるため、必要に応じてこれに対応することを考慮する必要がある。
 電子媒体に保存された情報は、紙に記録された情報と違い、以下の理由によりそのままでは見読できない場合がある。
・ 電子媒体に格納された情報を見読可能なように画面に呼び出すために何らかのアプリケーションが必要であること
・ 記録が、他のデータベースやマスター等を参照する形で作成されることが多く、データの作成時点で採用したマスター等に依存しなければ、正しい記録として見読できないこと
・ 複数媒体に分かれて記録された情報の相互関係が、そのままでは一瞥して判りにくいこと
 これらに適切に対応することにより、紙の記録と同等と言える見読性を確保しなければならない。
 また、何らかのシステム障害が発生した場合においても診療に重大な支障が無い最低限の見読性を確保するための対策も考慮に含める必要がある。
 ネットワークを通じて外部に保存する場合は、これらのことに適切に対応することに加えて、外部保存先の機関の事情により見読性が損なわれることを考慮に含めた十分な配慮が求められる。その際には、「4.2責任分界点について」を参考にしつつ、予め責任を明確化しておき、速やかなる復旧が図られるように配慮しておく必要もある。
 これらのことに配慮していても万が一、保存していた情報がき損した場合等は、可能な限り速やかな復旧に努め、「診療」、「患者への説明」、「監査」、「訴訟」等の要求に応える見読性の確保を図らなければならない。

 7.3 保存性の確保について

A.制度上の要求事項
 電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中において復元可能な状態で保存することができる措置を講じていること。
(e-文書法省令第4条第4項第3号)
③ 保存性の確保
 電磁的記録に記録された事項について、保存すべき期間中において復元可能な状態で保存することができる措置を講じていること。
(施行通知第2 2(3)③)
「診療録等の記録の真正性、見読性及び保存性の確保の基準を満たさなければならないこと。」
(外部保存改正通知 第2 1(1))

B.考え方
 保存性とは、記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されることをいう。
 診療録等の情報を電子的に保存する場合に、保存性を脅かす原因として、下記のものが考えられる。
(1)ウイルスや不適切なソフトウェア等による情報の破壊及び混同等
(2)不適切な保管・取扱いによる情報の滅失、破壊
(3)記録媒体、設備の劣化による読み取り不能または不完全な読み取り
(4)媒体・機器・ソフトウェアの整合性不備による復元不能
(5)障害等によるデータ保存時の不整合
 これらの脅威をなくすために、それぞれの原因に対する技術面及び運用面での各種対策を施す必要がある。


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